詩物語〜うたものがたり

カテゴリー: 詩(自作)

昔、仲間と作った詩の冊子に載せたもの。
一部思い出せないので当時のものを修正です。
共通テーマは「川」でした。

挿絵はクリックすると大きくなります。


   
    ろまんす

 川の両岸に桜が咲き誇つておりますろまんす

 橋の上 見とれておりました私は
 背の高い男の方とぶつかつてしまひました

 手にしておりました楽譜が宙を舞い
 川面へ落ちてゆきました

 手を伸ばす私より早くその方は
 下駄を脱いで川へ飛び込みました

 戻つた楽譜は濡れておりましたけれども
 私にとつては些細なこと
 
 お礼を言う私にその方は
 「気をつけられよ」とくさめを一つ

 これが夫と私の馴れ初めでございます

詩物語〜うたものがたり

カテゴリー: 詩(自作)

昔、友人の企画で作った詩の冊子に載せたもの。
共通テーマは「う」で始まる題名でした。




      穿つ

  端坐したお前がじっと空(くう)を睨め付けている
  双眸をぎらつかせ 息を殺し 
  お前は何を見つめているのか
 
  突然 お前は立ち上がった

  私は目を瞠った
  
  穿たれた空間の向こうに
  確かに世界が現れたのだ

詩物語〜うたものがたり

カテゴリー: 詩(自作)

仲間と一緒に作った詩集冊子に載せたもの。
一部思い出せないので適当に修正しました。たぶん載せたものと微妙に違う…。
共通テーマは「山」でした。




    合戦

山の向こうは戦場
  周りを敵に囲まれた

あなたも戦へ駆り出された男の一人
  何処にいるのか見当もつかぬ

眠れぬ夜を幾日も過ごす
  血臭の中で泥のように眠ったが

今日でもう二十日
  一体何日経ったのか

私の願いはただ一つ
  諦めぬぞ俺は

生きていてくださいと
  山の向こうであいつが待っている 

詩物語〜うたものがたり

カテゴリー: 詩(自作)

昔、同人仲間と作った冊子に載せた詩です。
共通テーマは「島」でした。
無謀にもこの一部を書道作品にして書展に出したことがあります。



    祝言

 木々揺れざわめく夏の夜
 白き衣を纏ひしは
 かく美しき乙女なり

 月の光に照らされて
 島の輩の集まりぬ
 よしなしごとに 祝ひ酒

 震える指先拙きも
 盃 手に取り口湿す
 篝火に映ゆ 艶姿
 
 幼き恋の行末は
 今宵の我らが祝言ぞ
 うれしかなしや 夜は更けぬ
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